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1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/16 21:06:42 ID:j6/H1Q+y0

サトシ「小学校中退だし俺どうやって生きてけば良いんだ」

タケシ(31歳)「大丈夫だって!お前なら」

サトシ「お前はいーよな。俺の知らねーところで、ポケモン関係の資格取りまくってたし、それに
中学校出てんじゃん」

タケシ「そ、それは、ほら、アレだよ、アレ」

サトシ「別に無理に励まそうとしなくて良いよ」



7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/16 21:11:51 ID:j6/H1Q+y0

タケシ「そ、そんな落ち込むなよ。ほら、アイツ、シゲルとかお前と同じ小学校中退だろ?」

サトシ「アイツ、一年くらいはマジでポケモンマスター目指してたらしいけど、途中から
諦めたらしくてさ、普通に学校もどってたよ」

タケシ「そ、そうか」

サトシ「その上、何かいろいろ順調に行ったらしくて、国立の一番良い大学に受かって、今
オーキド博士の助手やってるらしいし」

タケシ「……」

サトシ「あいつから、『勉強頑張ってるぞ!』って絵葉書が来るたびに、「負けてらんねぇ
ポケモンマスターに俺はなる!」とか思ってたけど、何つーのか、俺ってアホだよなぁと」

サトシ「普通に考えてさ、普通に勉強して大学行って、それからポケモンマスター
目指しても良かったんじゃねぇかって思うんだ」

タケシ「ま、まぁ確かに」


17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/16 21:18:26 ID:j6/H1Q+y0

サトシ「母さんもさ、普通に止めるのに、何でか全然とめねぇし」

タケシ「それは、アレだろ。サトシの意思を尊重してさ、そういうのだったんじゃないのか」

サトシ「尊重(笑) 親なら止めろよ。ガキの人生狂わせて楽しいかよ」

タケシ「そう卑屈になるなよ……」

サトシ「いーやなるね」

タケシ「でもサトシ、ポケモンマスターにはなれただろ? 何が不満なんだ」

サトシ「ポケモンマスターになってもらえたのは称号だけ、金も何も貰えなかった」

サトシ「最初は考えたよ。ポケモンマスターになれば、ジムとかから引っ張りだこなんじゃ
ないのかって」

サトシ「でも、違うんだよ。ジムに勤めるにもさ、資格必要なんだよ。学校の先生と同じで」


26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/16 21:25:07 ID:j6/H1Q+y0

タケシ「なら、勉強、今からすれば良いじゃないか。何事も、遅いって事はないぞ」

サトシ「やめろやめろそーいう精神論は。普通に考えろ」

サトシ「小学校中退だぞ? 割り算すら怪しい俺が今から勉強とか」

タケシ「……だからダメなんだよサトシ。お前、変わっちまったよ」

サトシ「は?」

タケシ「昔のお前なら、もっと『そうだな!おう!』とか言ったと思うぜ」

サトシ「ガキだっただけだろ」

タケシ「……お前とは、もうあんまり会うこともないだろう」

サトシ「そーか。頑張れよ、タケシ。俺を出し抜いて得た資格でな」


32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/16 21:31:58 ID:j6/H1Q+y0

コジロウ(41歳)「おっ、サトシじゃないか、どうした」

サトシ「チッ、うっぜーのがきた」

コジロウ「何か言った?」

サトシ「別にぃ。それより、そのベンツどーしたんだ」

コジロウ「パパンに無理言って買って貰ったんだ」

サトシ「けっ、金持ちのボンボンはこれだから」ボソッ

コジロウ「何だ乗りたいのか?」

サトシ「はっ、お前の隣なんて死んでも乗らねーよ」

コジロウ「まぁまぁそう言うなって、ピカピカの新車だぞー」

サトシ「……しゃあねぇな」


35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/16 21:36:36 ID:j6/H1Q+y0

ブロロロロロロ

サトシ「そういやさ、お前今何してんの。ロケット団は?」

コジロウ「ロケット団? あぁ辞めた辞めた」

サトシ「何で」

コジロウ「いやー歳も歳だし、ぜんぜん上役になれねーし、それよりもパパンのスネかじる
方が楽だって気づいたんだ」

コジロウ「確かに最初は、そういうスネかじるのとか、家柄が嫌いだったけど、今は
甘えても良いかなと思えてる」

サトシ「何だよニートかよ」

コジロウ「ははっ、まぁそう言うな。そういやサトシ、お前は何してんだ?」


39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/16 21:42:20 ID:j6/H1Q+y0

サトシ「ま、お前と同じよーなもんだ」

コジロウ「何だよニートか」

サトシ「けっ、俺ぁ働く意欲はあんぜ。ニートじゃねぇ」

コジロウ「へー。つーかお前ならポケモン関係の仕事なら何でもつけんじゃね?
一応元ポケモンマスターだろ?」

サトシ「けっ、これだから世間知らずのボンボンは。良いか、耳の穴かっぽじって良く聞け、
ポケモン関係はな、資格が必要なんだよ。資格、これないと逮捕だから」

コジロウ「へ?そーなの?」

サトシ「まったく。そーいやもう一人の赤い髪のヤツはどうしたんだ」

コジロウ「あ、あぁムサシか。ムサシは確かロケット団のかなりの上役になってるぞ」


41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/16 21:46:35 ID:j6/H1Q+y0

サトシ「ははぁん、さては色仕掛けだな。女はずりぃな」

コジロウ「ま、何だか常日頃努力してたみたいだし、そういうのの結果なんじゃねぇかな」

サトシ「努力なんてピカチュウにでも食わせてろってなもんだよ」

コジロウ「ハハハハハッ、何だそれ」

サトシ「ったく」

ピロロロロロ

コジロウ「ん?電話?」

コジロウ「はい、はい」

コジロウ「すまねぇサトシ、急用入っちまった。すまんなここで降りてくれ。じゃ、またな」


43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/16 21:50:05 ID:j6/H1Q+y0

サトシ「ったく、しゃあねぇな。つかここどこだ」

サトシ「ん? ハナダシティ? あーそうかカスミのいる所か、懐かしいな」

サトシ「そういやカスミ今どうなってんだろ。ジムでもよってみるか」

カランコロン

ようじょ「お、おいたんだれでしゅか」

サトシ「何だこのクソガキ」

カスミ「もーどうしたのよ一体」

ようじょ「おきゃくさんだよ、おかーたん」

サトシ(おかー、たん?)


52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/16 21:56:39 ID:j6/H1Q+y0

カスミ(26歳)「あーすいません娘が、あ、それでですね、今日はジムお休みで、表の張り紙
見ませんでした?」

サトシ「あっ、いや、見たけど。てか、俺サトシだけど」

カスミ「えっ、サト、サト、シ? ほ、ホントに?」

サトシ「あ、あぁ。つか、お前は子供いたんだ。相手誰」

カスミ「えーと、ほら、タケシ」

サトシ「タケシだと!?」

カスミ「の、弟のジロウ、なんだけど」

サトシ「は?アイツに弟なんていたのか?」


57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/16 22:00:20 ID:j6/H1Q+y0

カスミ「え?知らなかったの? 今ニビジムのリーダーやってるよジロウ」

サトシ「ふーん」

カスミ「でさージロウってば、かなり良い男なんだよー」

サトシ「へーん」

カスミ「お互いジムリーダーだし、色々と悩みを聞いてもらったりしてるうちにさ」

サトシ(あーあうぜぇ。のろけ話とか聞きたくもねぇ)

サトシ「じゃあな」

カスミ「あっ、もう帰っちゃうの? 積もる話とか」

サトシ「ねぇよ」

ようじょ「このおいたん、こわいよ」ボソッ


61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/16 22:07:05 ID:j6/H1Q+y0

カスミ「だめでしょーそんな事言っちゃ。お母さんの友達なんだから」

ようじょ「だってぇ」

ガランゴロン

ようじょ「……ほっ」

カスミ「相変わらず、忙しい男ね」

サトシ「ったく、ジロウとかタロウだかしんねぇけど、人の女に手出してんじゃねぇよ」

サトシ「……まぁ俺のものにした覚えもねぇけどさ」

サトシ「こっから近い知り合いん所っつったら、どこだ、あぁそうかマサキんとこだ」


71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/16 22:12:45 ID:j6/H1Q+y0

サトシ「マーサキちゃん、あーそーぼ」

ドンドンドン

サトシ「チッ、いねーのかよ。使えねーオタク」

サトシ「しゃあねぇ、次行くか。次はーっと、マチスん所だな」

サトシ「マーチスちゃん、あーそーぼ」

マチス「ヘイ、ベリーサトシ! 残念NONO、俺は今からアメリケン、カムバック
しなきゃなんねぇ」

サトシ「フーン、つーか何か微妙に日本語うまくなってんな」

マチス「お褒めプレゼントテンキュー」


73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/16 22:15:36 ID:j6/H1Q+y0

マチス「じゃあなサトシボーイ」

サトシ「あぁ、またな」

サトシ「行っちまった……」

サトシ「次どーっすかなーそーだ、エリカん所行こう」

サトシ「エリカとか多分まだ処女で俺に惚れたまんまだろうから、上手い具合にヒモになろう」

サトシ「っしゃあああ気合いれっぞ」


76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/16 22:19:06 ID:j6/H1Q+y0

サトシ「ついたぜタマムシシティ、さーてジムジム」

サトシ「んんんん? ジムが、ねぇ」

サトシ「確かにここにあったと思ったんだが」

サトシ「ねぇ、花屋になってる」

サトシ(まさかジム潰れたか?)

エリカ(30歳)「はいはーい何か御用ですかー」

サトシ「あ、はい、って、エリカ?」

エリカ「えっ、って、サトシ?」

サトシ「あ、あぁ久しぶり」


81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/16 22:23:06 ID:j6/H1Q+y0

エリカ「うん、久しぶり」

サトシ「あーそんで、何これ、ジム、辞めちゃった?」

エリカ「うん、まぁね。前から花屋やりたくて、あんまり闘いとか好きじゃなかったし」

エリカ「それでね、良いでしょーこのお花たち」

サトシ「あ、えぇまぁな」

エリカ「このグラジオラスとか、お買い得だよー」

サトシ「そうなんだ。じゃあ一つ貰おうかな」

エリカ「はいはいお買い上げーって言いたい所だけど、今日はサービスにしといてあげる」

サトシ「お、おぉサンキュー」

サトシ(何だか性格変わったなー)


83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/16 22:28:43 ID:j6/H1Q+y0

サトシ「けど、容姿の方はあんまり変わらず綺麗なままだな」

エリカ「え?」

サトシ「いや、何でもねーよ」

エリカ(今、綺麗って? お花の事、だよね?)

エリカ「ね、お花、綺麗でしょ」

サトシ「そうだな。俺は、アサガオとか好きだな」

エリカ「アサ、ガオ?」

エリカ(花言葉は、『私はあなたに結びつく』。いや、サトシってそんなの詳しくなさそーだし
たまたまだよね)

サトシ「あぁ。そういやさ、花言葉って、ロマンがあるよな」

エリカ「えっ、えぇ」


88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/16 22:35:28 ID:j6/H1Q+y0

サトシ「それにしても、エリカさぁ、結構性格変わったな」

エリカ「そう?」

サトシ「あぁ、今の性格なら、モテモテだろ」

エリカ「いや、全然、全然。男の人、苦手だし」

サトシ「へー。でも、もう結婚とかしてるんじゃないのか?」

エリカ「あー、そうだよね。この歳なら、普通してるよね……」

サトシ「いや、落ち込むことねーよ。エリカ、お前可愛いから、絶対良い男と一緒になれるさ」

エリカ「か、可愛いって、もう30だし」

サトシ「いや、可愛いと思うぜ、俺は」


92: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/16 22:41:42 ID:j6/H1Q+y0

サトシ(あともーちょいで落とせそうだな)

サトシ(しかし顔なじみでよかった。エリカ、初対面の男には心のバリア全開だからな)

エリカ(えーちょっとちょっと、これどーいうことー!)

エリカ(朝の占いで確かに、運命の再開がって言ってたけど、占いなんて当たった試しないし)

エリカ(でも、確かに再開した。サトシと)

サトシ(ここらへで引いとくか)

サトシ「じゃあな。彼氏と仲良く、な」

エリカ「ちょっ、ちょっと、彼氏とかいないって」

サトシ「別に、?なんてつかなくて良いんだぜ」

エリカ「いや、ホント、て言うか、今まで出来た事ないし」

サトシ(処女確定)


104: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/16 22:50:09 ID:j6/H1Q+y0

サトシ「まぁでも、長居するのも何だしさ」

エリカ「全然大丈夫だから、お茶でも飲んで行って」

サトシ「そ、そっかぁ?」

エリカ「うん」

サトシ「じゃ、ちょっとだけお邪魔しようかな」

エリカ「どうぞどうぞ。それで、今日は何でまたうちに?」

サトシ(やっべ、全然理由考えてなかった。えーとえーと、あっ、そうだ)

サトシ「エリカにさ、実は、お願いがあって」

エリカ「えっ?」

エリカ(な、何、改まって)


109: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/16 22:54:43 ID:j6/H1Q+y0

サトシ「エリカってさ、ジムリーダーだったじゃん?」

エリカ「えぇ」

サトシ「俺さ、ジムリーダーになりたいんだけど、勉強とか方法とか全然分からなくて
どうすれば良いのか、教えて欲しいんだ」

エリカ「え、えぇー、どうすればっても、私もお母さんとかから言われるがままに引き継いだ
結果というか、勉強なら、教えられるかなぁとも思うけど、もうかなり前の事だし」

サトシ「無理なことは分かってる! でも、エリカにしか頼めないんだ」

サトシ(自分でももう何言ってるか全然分からねぇ)

エリカ(わ、私しか頼れない!?)

エリカ「わ、分かったわ!」

サトシ「えっ」


116: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/16 23:00:34 ID:j6/H1Q+y0

サトシ「で、でも、泊まる所とか」

エリカ「こここ、ここに、ととと、泊まれば」

サトシ「え、良いの?」

エリカ「きき、緊急事態ですもの」

サトシ(一時はどうなる事かと思ったけど、何とかヒモになれそうだぜ)

エリカ「今日はもう閉店するね。あ、後ちょっと出かけてくるから」タタタタッ

サトシ「お、おう」

サトシ(コンドームでも買いに行ったか?)


119: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/16 23:04:00 ID:j6/H1Q+y0

エリカ「さぁ、サトシ、始めるわよ」

サトシ「あ、あぁ」

エリカ「試験は二ヵ月後、勉強量も昔よりも多い見たいだし、しっかり勉強しないと落ちるわよ!」

サトシ「お、おー」

サトシ(まさか参考書を買ってくるとは思わなかった)

エリカ(こうやって、親密度を上げて、ゆくゆくは結婚……なんて、キャーキャー)

エリカ(し、しかも年下の旦那さまとか、これもうヤバすぎる!)

サトシ(俺勉強苦手なんだよなぁ)


128: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/16 23:09:45 ID:j6/H1Q+y0

エリカ「問い1、今現在、ポケモンは何匹いるか」

エリカ「分かる?」

サトシ「いや全然。エリカは?」

エリカ「え、いや、だってジオリーダーとか何年も前に辞めたし、今新種のポケモンもどんどん
出てるらしいから、全然分からない」

サトシ「俺もさっぱりだ……」

エリカ「せ、正解見てみましょ」

サトシ「おう。で、何匹だった?」

エリカ「……646だって」

サトシ「多っ」


140: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/16 23:17:46 ID:j6/H1Q+y0

エリカ「問い2 ニビジムの現在のジムリーダーは誰」

サトシ「……ジ!ロ!ウ! だろ」

エリカ「えーと答え答え、せ、せーかい。良く分かったね」

サトシ「……まぁな」

エリカ「じゃあ次は……」

次の日

サトシ「結局ずっと勉強だった」

エリカ「ふぁ~あ。さぁ勉強始めましょう」

サトシ「じ、自分でするからさ、エリカは店の方やれよ」

エリカ「え、全然だいじょーぶ」


148: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/16 23:22:54 ID:j6/H1Q+y0

サトシ「えっ」

エリカ「ジムリーダーの時に稼いだ蓄えがあるし」

サトシ「ち、ちなみにどれぐらい貯めましたか」

エリカ「今残ってるのは五千万くらいかな」

サトシ(ジ、ジムリーダーって儲かるのか)

エリカ「ジムリーダーって国営だし、結構お給金良いんだよ」

サトシ「そんななのに、辞めちゃっても良かったのかよ」

エリカ「……うん。ポケモン戦わせるの、嫌だし」

サトシ「……」


153: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/16 23:29:25 ID:j6/H1Q+y0

エリカ「どうかした?サトシ」

サトシ「あっ、いや、じゃあ、勉強しようぜ」

サトシ(二ヶ月の我慢だ。どうせクソみたいな人生だ。少しくらい、真面目になっても
バチは当たらんだろ)


タケシ「しっかし、それにしてもサトシの野郎、いつの間にあんなにクソ野郎に
なっちまったんだ」

タケシ「確かに、俺はあいつにくっ付いて、経験を積みながらちゃっかり資格の勉強も
してた、だけどさ、それって人生の保険だろ?誰だってやる。俺は何も悪くない」

タケシ「純粋すぎるお前が悪いんだよサトシ」


156: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/16 23:33:25 ID:MroMV3T40

タケシ出てくんなよ
オレンジ諸島に帰れ


159: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/16 23:36:44 ID:j6/H1Q+y0

タケシ「しかしサトシの後をつけたは良いが、まさかエリカの所に転がり込むとは」

タケシ「……エリカのヤツ、30になってもかなり綺麗なままだ」

タケシ「くっそ、何でサトシの野郎を追い出さなかったんだ?」

タケシ「無職ヒキニートのサトシよりも、俺の方が色々と捗るだろ」

タケシ「俺を選べよ、エリカ」


エリカ「」ビクゥ

サトシ「どうかしたかエリカ」

エリカ「え、何か今背筋が」

サトシ「何だ風邪か?気をつけろよ」


161: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/16 23:37:54 ID:/17ntYy00

タケシお前・・・・www


167: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/16 23:42:04 ID:mOmrVCf40

今日だけはサトシを幸せにしてやってくれ頼む


168: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/16 23:42:35 ID:j6/H1Q+y0

スーパーにて

エリカ「今日は何作ろうかなー、サトシ頑張ってるし、ハンバーグにでもしようかな」

サササッ ササッ

タケシ「エリカ、何を買っている? ひき肉、パン粉、ハンバーグか」

タケシ「一人で食べきれる量ではない。確実にサトシの分だな」

タケシ「それに、エリカは基本肉は食わないと記憶している。と言うことは、サトシの
ためだけの料理か」

タケシ「クソッ、サトシなんてどうせヒモになろうかとそういう考えでエリカに
近づいたに違いないのに、それに気づかないなんて、どれだけお人よしなんだエリカ!」

タケシ「俺が、必ず、必ず、助け出してやるからな」


175: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/16 23:46:22 ID:j6/H1Q+y0

一週間後

ガサゴソ ガサガサ

タケシ「エリカの家から出るゴミに、コンドームは無い。どうやら、サトシとはまだしてない
らしいな」

タケシ「ふふふ、さすがエリカ。貞操観念だけはしっかりしている様だ」

ようじょ「ままーあれなーに」

まま「しっ、見ちゃ行けません!」

タケシ「おっと、あうやく不審者にされる所だぜ」ササッ

通行人A(あ、怪しい男……)


176: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/16 23:46:24 ID:z7TDXXJJ0

わりとマジでサトシが幸せになって欲しい


177: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/16 23:46:34 ID:4muOTTcH0

タケシ死ね


180: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/16 23:47:24 ID:+3f/Nqb90

ニンゲンジャネェ


182: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/16 23:50:16 ID:3Pz73kQL0

サトシ頑張れ!


183: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/16 23:50:46 ID:j6/H1Q+y0

エリカ「さ、サトシ、凄いわ」

サトシ「あ、あぁ、俺も驚いてる所だ。まだ勉強を始めて一週間だというのに、もう
30点も取れる様になった」

エリカ「最初なんて5点だったものね」

サトシ「目覚しい進歩だ。そういや合格点数って何点なんだ?」

エリカ「えーとね、……き、90点だって」

サトシ「」

エリカ「だ、大丈夫! このペースなら、あと二週間頑張れば合格ラインだよ!」

サトシ「……そーいう捉え方もあるな。確かに」

エリカ「だからガンバロー!」


191: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/16 23:56:35 ID:j6/H1Q+y0

エリカ「それにしても最近サトシって良く鼻かむよね。ゴミ袋いっぱいでもってくの大変だったよ」

サトシ「まぁな。何か妙にむずむずして。つーか今度からゴミだし俺行くわ」

エリカ「ありがと。てか、春でもないのに花粉症?」

サトシ「いや、花粉症にかかったことは生まれてから一度も無い」

エリカ「わっ、凄い」

サトシ「そーか?」


タケシ「はぁはぁ、このティッシュの山、きっとエリカがオナニーした後なんだろう」

タケシ「はぁはぁ」シュッシュッ


195: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 00:03:25 ID:AJEqcHNi0

ご近所のBBA「エリカちゃんエリカちゃん」

エリカ「何ですか?」

ご近所のBBA「最近ね、ここらへんで不審者が出るって話あんのよ!」

エリカ「えー! ホントですか?」

ご近所のBBA「ホント!あたしも見たんだから、ゴミ袋開けて、中のティッシュ持ってく
男!見たの! 確か、あのゴミ袋はエリカちゃんが出したものだったかねぇ」

エリカ(え、サトシのかんだティッシュを盗んだって事?)

エリカ「って話があったんだけど」

サトシ「マジかよ、俺のかんだテイッシュ盗むとかどんなアホだよ」

エリカ「ゲイ、とか?」

サトシ「なわけあるか。ま、大方エリカの使ったティッシュと勘違いしたって所だろな」


197: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 00:06:03 ID:AJEqcHNi0

エリカ「え、えー!」

サトシ「エリカ可愛いから、盗みたくなるんじゃない」

エリカ「そ、そんな可愛いだなんて」

サトシ「まぁ事実は事実だし」


タケシ「くっそー安物の望遠鏡はダメだなー良く見えない」

タケシ「しっかし、何となく二人とも笑ってる?照れてる?感じに見えるな」

タケシ「これはやばいぞ。早めに離反工作しないと」

タケシ「しかしどうすれば」


201: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 00:10:17 ID:AJEqcHNi0

タケシ「……脅迫状でも送るか」

カキカキ

タケシ「よし、これで良いだろ。投函っと」

エリカ「サトシーサトシ宛にお手紙届いてるよー」

サトシ「え? 嘘だろ、俺こっちに住んでるの誰にも言ってねぇぞ」

エリカ「でも届いたものは届いたし」

サトシ「誰からだ全く」ビリビリ

サトシ「わっ!!!!」

エリカ「えっ、ど、どーしたの!?」


204: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 00:14:36 ID:AJEqcHNi0

サトシ「ち、血」

エリカ「えっ、キャッ!!!」

サトシ「え、エリカから離れろ、さもないと、お、お前を殺して、エリカを、犯す」

サトシ「な、何だよこれ。何なんだよ」

エリカ「こ、怖いよ」ガクガクブルブル

サトシ「だ、大丈夫だ。な、何とかしてやる」ガシィ


タケシ「あー? 何でエリカの肩寄せてんだサトシのヤツ、そーいう事したら殺すって
脅してるだろ」

タケシ「まぁ実際殺す度胸も犯す度胸もないけど」


207: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 00:18:23 ID:qiqhI7qL0

タケシ「おまえら人間じゃねえ!!」


209: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 00:19:29 ID:AJEqcHNi0

タケシ「脅迫状は時期尚早だったな……」

タケシ「買い物もゴミ捨ても全部サトシの野郎がやってやがる」

タケシが「エリカが全然外に出なくなった」

タケシ「やっぱ脅迫状のせいだよな」

タケシ「しゃあねぇな。謝罪状でも送るか」

カキカキ

タケシ「投函っと」

サトシ「また、俺宛にか。一体誰からなんだ。警察にでも行った方が良いのかも知れないな」
ビリビリ


210: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 00:21:21 ID:OvBl1jrT0

謝罪状とは新しいなwww


211: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 00:21:38 ID:15H25hXp0

謝罪状ワロタ


212: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 00:21:54 ID:l3JNbWQi0

謝罪状www


213: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 00:23:03 ID:AJEqcHNi0

サトシ「えーと、『前の脅迫状は嘘です。殺しません、犯しません。だから、エリカさんを
外に出してあげてください』」

サトシ「なんだこれ」

エリカ「そ、そうやって、外におびきだして、や、やってしまうとか、そそそそ、そーいう
事なんでは」

サトシ「……その可能性高いな」

タケシ「ちっ、折角謝罪までしたのに全然出てこない」

タケシ「どーなってんだ」

タケシ「あ、何となく分かったぞ。サトシの野郎、『こうやっておびき出すのが
相手の狙いです!』とかカッコつけて言ってエリカを外に出さない気だなぁ」


218: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 00:26:45 ID:AJEqcHNi0

タケシ「だが、外の植物に水やりはする様になったな」

タケシ「隙を狙って、ちょいとお宅にお邪魔しますよと」サササッ

タケシ「おっと、ここがエリカの部屋か。ご丁寧にドアプレートに名前書いてるのか」
サササッ

タケシ「おぉー女の子の部屋だ」

タケシ「さて、盗聴器盗聴器」ガチャリ

タケシ「望遠鏡からだけじゃ、どうなってるか全然分からないしな」

タケシ「これぐらい許されるさ」


229: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 00:30:34 ID:AJEqcHNi0

エリカ「じゃあ次の問題ね」

サトシ「おうよ」

タケシ「何だ何だ、サトシの野郎ジムリーダー試験の勉強か」

タケシ「俺も当時必死こいて勉強したっけ、って、違う違う」

タケシ「さぁて、二人の心密度はどれくらいのもんだ」

エリカ「……」

サトシ「エリカ、どうした?」

エリカ「えっ、いや」

サトシ「脅迫状の件か?やっぱり」


231: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 00:33:04 ID:AJEqcHNi0

エリカ「う、うん」

サトシ「怖いよな、やっぱり」

タケシ「ばーかwちゃんと謝罪状まで出してるのに、怖いとかねーよ」

エリカ「うん」

サトシ「だよな……」

エリカ「あっ、で、でも大丈夫。サトシいるし」

サトシ「えっ?」

タケシ「えっ?」


234: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 00:38:00 ID:AJEqcHNi0

エリカ「さ、最近、一人で寝るのが怖いの」

サトシ「そりゃ、あんな脅迫状出されたらなぁ」

タケシ「怖いなら俺が添い寝してやるよ」

エリカ「だ、だから、今日、ね。サトシと、手、手、繋いで、寝たいなって」

サトシ「えっ……」

エリカ「だ、ダメ?」

タケシ「サトシ反対しろ。さもないと殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す」

サトシ「いや、ダメじゃないけど、その、自制できるかどうか分からないし、ダメ、かなって」

エリカ「だ、大丈夫だよサトシなら」

サトシ(ど、どういう意味で大丈夫なんだろうか)


235: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 00:38:35 ID:4EaC2Jy/0

きたか・・・!


236: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 00:39:14 ID:3E+po4aH0

ちゃんと避妊するんだぞ!


241: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 00:41:29 ID:xB5rVw6i0

パンツ脱いでいいですか?


242: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 00:42:02 ID:Unw7Uq8M0

真人間サトシ頑張れ。俺の分まで幸せになってくれ


243: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 00:42:55 ID:AJEqcHNi0

タケシ「こうしちゃいられねぇ! 邪魔しにいかねぇと!」ダダダダダッ

エリカ「ね、手、繋ぐだけ、それだけで、良いから、落ち着くから」

サトシ「あ、あぁ」

ギュ

サトシ(何かムラムラしてきたぞ……しかし、常日頃俺のために色々してくれるエリカに
なりゆきでそんな事するなんて。俺には出来ない)

ドンドンドンドン

「コロスゾオラァアアアア」

サトシ エリカ「」ビクゥウウウ

エリカ「な、何、怖い」

ギュウウウウウウ

サトシ「ちょ、手だけだって、抱きつくなって」

エリカ「だ、だって、怖い」


247: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 00:44:24 ID:YA1BMH9S0

タケシやばすぎだろwwwww


248: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 00:44:27 ID:Byi1fVf/0

タケシwwwwwwwww


250: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 00:45:13 ID:ZYfQeyXwO

警察を呼べ


251: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 00:45:13 ID:SJo8q0lR0

サトシとタケシがドンドン逆立ち位置になってく…


252: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 00:45:22 ID:rDDX4xsm0

いいぞサトシのやみのはどうがタケシに流れ込んでいってる
サトシ幸せになるんだ


258: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 00:47:37 ID:AJEqcHNi0

サトシ「そ、そのうち居なくなるから、大丈夫だって」

エリカ「じ、じゃあ居なくなるまでこのまま、このままで」

サトシ「し、しょうがないな」

ドンドンドン

タケシ「はぁ、はぁ、このぐらいやれば、さすがにもう変な気起こさないだろサトシも」

エリカ「すやすや」

サトシ「あーあ寝ちゃった。起こすわけも行かないしな」

サトシ「ま、添い寝のままでいっか」


264: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 00:52:46 ID:AJEqcHNi0

サトシ(しかし、何だ、エリカって寝相悪いのか)

サトシ「やたら、手が俺の体をさわさわと、触っているんだが」

サトシ(やっべ、ちょっと勃起してきた)

サトシ(けど、離れるのも何かなぁ。またさっきのヤツ来た時に俺近くに居なかったら不安に
なるんだろうし)

サトシ「我慢我慢。ゴムもないしね」

エリカ「サトシぃ……」

サトシ「寝言で名前を言われると、何だか不思議な気分になるな」

タケシ「はぁはぁ、エリカ、イクぞっ!」ドピュ

タケシ「ふぅ、エリカの写真にぶっかけるのも、何だか飽きたな。やっぱ実物じゃないと」


268: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 00:59:06 ID:AJEqcHNi0

チュンチュン

エリカ「あ、あのまま寝ちゃったんだ……」

エリカ「……サトシ、ずっと一緒に居てくれてたんだ」

エリカ「優しいんだね、やっぱり。ふふふ」

エリカ「ありがとね」チュ

サトシ「zzzzzz」


393: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 08:57:50 ID:AJEqcHNi0

タケシ「zzzzz、ハッ!」

タケシ「いかんいかん、寝過ごした」

タケシ「……さて、どうやってエリカと俺を結ぶか、だな」

タケシ「っ!?そうだ、俺もエリカと顔なじみなんだから、堂々と会いに行けば良い」

タケシ「『アホの子のサトシよりもタケシさんの方がいぃ~』とかって抱きついてくるハズだ」

タケシ「っしゃ、行くぞ」


タケシ「やぁエリカさん、お久しぶりです。今日も水やりですか? お花は見ていると
心が洗われる。素敵だ」

エリカ(だ、誰?)

エリカ「ど、どなたですか?」


397: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 09:04:11 ID:AJEqcHNi0

タケシ「やだな、タケシですよタケシ」

エリカ「タケ、シさんですか」

タケシ「はい」

エリカ(タケシさんって、誰? と言うか、今、『今日も』って)

タケシ「この秋名菊なんか、凄く綺麗だ」

エリカ「は、はい」

エリカ(秋名菊の花言葉は、『あせていく愛』だったよね、確か。この人失恋でもしたのかしら)

タケシ「時にエリカさん、お食事とかご一緒にどうですか? ヤマブキシティに良いレストランが
あるんですよ。タマムシからなら、すぐですし」


401: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 09:17:08 ID:AJEqcHNi0

エリカ「いえ、今日はちょっと」

エリカ(サトシの勉強が)

タケシ「では、明日」

エリカ「いえ、明日もちょっと」

タケシ「ぐぬ、で、では、明後日」

エリカ「すいません明後日も」

タケシ「い、一週間後なら」

エリカ「……ごめんなさい」

タケシ「い、いつなら大丈夫なんですか?」

エリカ「え、いつならって」

エリカ(……遠まわしに嫌だって言ってるのに、全然気づいてない)


407: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 09:28:17 ID:AJEqcHNi0

タケシ「エリカさんの都合の良い日でいいので、教えてください」

エリカ「い、今の所、ないかな」

タケシ「そんな!? ないんですか? 冗談でしょう」

エリカ「ほ、本当です」

タケシ(サトシの野郎か……くそ、エリカの心の隙間に入り込みやがって)

タケシ「そ、それでは仕方ない。また日を改めてお伺いします」タタタタッ

エリカ(もうこなくて良いです)


415: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 09:42:02 ID:AJEqcHNi0

サトシ「誰か来た?」

エリカ「うーん、何かタケシさんとか言う人」

サトシ「タケシ? 知ってるヤツ?」

エリカ「いや全然知らない人。目細い人だった」

サトシ(……まさか、あのタケシ、か? 何でエリカの所になんか)

サトシ「いや、同名の他人かもな」

エリカ「何かお食事がどうのとか、嫌だって言ったんだけど」

サトシ「本当に嫌だって言ったか? 遠まわしすぎて気づいてないんじゃないの」

エリカ「えぇーまさか」

サトシ「男ってアホだから、遠まわしだと、試されてるとか変な勘違いしたりするぞ」


425: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 09:53:42 ID:AJEqcHNi0

タケシ「ちくしょう、チクショウ、俺の何がいけないんだよ」

タケシ「ジロウの野郎もカスミと結婚しちゃうし、てか子供まで作るとか」

タケシ「俺なんかまだ童貞なのに」

タケシ「うっうっ」ボロボロ

タケシ「エリ、エリカだけは、エリカだけは手に入れる」ボロボロボロ

タケシ「そもそも、年齢的には俺とエリカが丁度良い感じだろ」

タケシ「サトシとか絶対エリカ捨てる」

タケシ「俺だけがエリカを幸せに出来る」

タケシ「俺だけなんだ」


429: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 10:00:45 ID:AJEqcHNi0

サトシ「さて、今回の点数はどれぐらいだろうか」

サトシ「あと一ヶ月しかないわけだが」

カキカキ 

エリカ「えーとね、87点」

エリカ「すごい! あとちょっと! まだ一ヶ月あるし、追い込みでこれ何とかいけるかも!」

サトシ「……」

エリカ「どーかしたサトシ?」

サトシ「いや、昔思い出してさ、努力も、そう悪いもんじゃねぇなって」


438: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 10:12:11 ID:AJEqcHNi0

エリカ「……その言葉は、受かってからにしよ」

サトシ「そうだな」


タケシ「もうやれるだけの事はやった」

タケシ「どうすればエリカの心を手にいれられるんだ」

タケシ「……まずは、俺を売り込む所からだな」

タケシ「毎日会いに行くか」

タケシ「おはようございます、エリカさん」

エリカ「え、あぁ、はい、おはようございます」

エリカ(ま、また来たこの人)


447: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 10:25:41 ID:AJEqcHNi0

タケシ(もう一ヶ月続けた。毎日エリカの所で花を買っている)

タケシ(そろそろ、あのお客さん素敵!となるハズだ)

タケシ「よし、今日も頑張って会いに行くぞ」

タケシ「ん?休み? 何で、今日は定休日じゃあ……って、あっ!!」

タケシ「今日はジムリーダーの試験日か……」

タケシ「忘れてた」


エリカ「どうだった?」

サトシ「んーまぁまぁかな、ただ、ケアレスミスがちょっと気になるかな」

エリカ「多分大丈夫、受かってるよ。サトシなら」


457: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 10:37:11 ID:AJEqcHNi0

サトシ「結果は午後に出るらしいから、そうだな、昼飯でも食べに行くか」

エリカ「うん」

タケシ「……はぁはぁ、追いついたぜ、試験は、もう終わっちまったか」

タケシ「クソっ、妨害しようと思ったのに」

タケシ「って、何だどこ行くんだあの二人」」

タケシ「ん? ファミレスに……何だ昼飯か」

タケシ「俺も同じところで食うか」
カランコロン

店員「しゃっせー」

タケシ「すいません、あそこの二人の死角になる席ってどこですか」

店員「し、死角ですか」


470: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 10:47:15 ID:AJEqcHNi0

店員「死角と言いますか、まぁおそらく、見えにくい席なら、あそこかと」

タケシ「ありがとよ店員さん」

店員「は、はぁ」

サトシ「しっかし、何かこう終わってみると、受かってるとか落ちてるとか関係なく清々しい気分になるな」

エリカ「達成感、ってヤツ?」

サトシ「そうそうそれ」

サトシ「ピカチュウと旅してたとき思い出すぜ」

エリカ「そういえば、私のジムに始めてきたの何年前だっけ?」

サトシ「16年くらい前かな多分」


475: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 10:54:48 ID:AJEqcHNi0

タケシ(16年前、俺もサトシと一緒にエリカん所行ったよな)

エリカ「確か、サトシと、カスミちゃんと、ピカチュウだよね」

サトシ「良く覚えてんなー」

サトシ(確かタケシも居た気がするんだけど、まぁいっか)

タケシ(ん? 俺も居なかったっけ?)

エリカ(そういえばほかに、もう一人居た様な……まぁ別にいいかな)


482: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 10:59:36 ID:AJEqcHNi0

エリカ「そういえばピカチュウどうしたの?」

サトシ「あー確かポケモンセンターに預けたまんまだ。もう10年くらい」

エリカ「じ、十年!?」

サトシ「うん、まぁでも、俺と危険な旅するよりも、ポケモンセンターで
美味いメシでも食ってる方がピカチュウのためかなとも思う」

エリカ「ピカチュウ、多分サトシの事待ってると思うよ」

サトシ「そうかな」

サトシ(ホントは面倒くさくて預けたまんまなんだけどね)

エリカ「そーだよ! ジムリーダーになったらポケモン必要なんだから、ちゃんと出してあげないと」

サトシ「でもピカチュウ俺の言うこと聞くかな。野生度が増してたりして」

エリカ「ドラクエモンスターズじゃないんだから」


490: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 11:09:55 ID:AJEqcHNi0

サトシ「よしじゃあ取りに行こう」

エリカ「そうだね」

ポケモンセンター

サトシ「すいまっせーん、10年もののピカチュウ引き取りに来たんですけど」

ジョーイ(42)「あら、サトシくん、お久しぶりねぇ」

サトシ「あ、ジョーイさん」

ジョーイ「ごめんねぇ、ピカチュウねぇ、ちょっと更年期障害出ちゃって、もう戦える体じゃないの」

サトシ「え」

ジョーイ「ポケモンはねぇ、人間よりも早く成長して老化しちゃうから」


505: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 11:24:15 ID:AJEqcHNi0

エリカ「だ、大丈夫、ジムリーダーになって、それから新しい仲間見つければ」

サトシ「それもそうだな。てかピカチュウ、もうそんな歳になってたのか」

サトシ「時間の流れって、残酷だな」

ジョーイ「ごめんねぇ、ピカチュウね、あと数年したら、介護施設に行く事になってるの」

ジョーイ「良かったら、たまにでも会いに来てあげて、多分喜ぶから」

サトシ「……はい」

ジョーイ「最初は、『ピッカピカチュウ!』とか元気だったの、でもね、今では『ピ、カ』としか
喋れないのよ」

ジョーイ「でもきっとサトシくんの事は覚えてるはずよ」


516: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 11:30:09 ID:AJEqcHNi0

サトシ「今はまず、試験の結果だ」

サトシ「それから、考えよう……」

タケシ「しっかし、ジョーイさんすっかりババアだなぁ。昔とは打って変わってだ」

タケシ「もう俺のストライクゾーンには入らないな」

サトシ「戻るか」

エリカ「うん」

サトシ「お、もう結果が張り出されてる」

エリカ「あっ! 受かってるよサトシ!」

サトシ「おおっ、マジだ!」


522: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 11:33:17 ID:AJEqcHNi0

ジョーイ「あらタケシくん、久しぶり」

タケシ「え、あ、久しぶりです」

ジョーイ「そういえばさっきサトシくん来たわよ。今はもう一緒に、ってもう
子供じゃないものね。いつまでも一緒だなんて」

タケシ「は、はい」

ジョーイ「そういえば、昔はタケシくん私に必死にアプローチかけてくれたわよね」

タケシ「え、はぁ」

タケシ(そりゃ昔は美人だったからな)

ジョーイ「今ね、私独身なのよ」

タケシ「は、はぁ」

タケシ(いやーな予感が)


533: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 11:40:40 ID:AJEqcHNi0

ジョーイ「今ならね、私、君のアプローチ受けても良いかなと思うの」

タケシ「え、いやいや、そんな、ジョーイさんにはもっと良い男が」

ジョーイ「いないわ」

タケシ「え」

ジョーイ「あんなにアプローチかけてくれたの、君だけだった」

ジョーイ(本音は、若い旦那欲しいってだけだけどね)

ジョーイ「もう君しかいないの」

タケシ「お、俺は、でも」

タケシ(は、早くなんとかしてエリカの所に行かないといけないのに)


539: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 11:48:16 ID:AJEqcHNi0

タケシ「じ、ジョーイさんには、サトシとかの方が、合うと思います」

ジョーイ「サトシくん、さっきエリカちゃんと仲良さそうだったわよ」

ジョーイ「人の恋路を邪魔する趣味はないわ」

ジョーイ(上手く逃げようったって、そうはいかないんだから)

タケシ(クソッ、クソッ、どうやって、どうやって逃げれば)

ジョーイ「タケシくん、あの時の、「一生好きです」ってアプローチ、嘘だったの?」

ジョーイ「そういう嘘付きだって、言って回ろうかしら」

タケシ「そ、それはっ!」

タケシ(エリカの耳に入ったらマズイ)


561: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 12:05:46 ID:AJEqcHNi0

タケシ(どうしよう……どうしよう)

ジョーイ(考えてる! 今がチャンス、聞き取れるかどうかの声で)

ジョーイ「……こんして」

タケシ「はい?」

ジョーイ「え?良いの? 今「はい」って、わーありがとう」

タケシ「?」

ジョーイ「今結婚してって言ったら、はいっていったよね」

タケシ「っ!? え、いや、はいって、いやいや、それは違うはいで」

ジョーイ「はいに違うも何もないと思うけど」


566: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 12:10:45 ID:YmPgwhEYi

前半のサトシのゴミっぷりが吹き飛ぶ昼ドラっぷりだな


570: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 12:14:17 ID:AJEqcHNi0

サトシ「しかし、まさか本当に受かるとはなー」

エリカ「だって頑張ってたもんサトシ」

試験管「サトシ様でございますか」

サトシ「え? あっ、はい」

試験管「全国ポケモン協会の会長が、お呼びです」

サトシ「えっ、俺何かした」

試験管「私には顛末は理解しかねます。とにかく、上へどうぞ」

サトシ「あ、は、はい。ごめんエリカちょっと行って来る」

エリカ「うん、行ってらっしゃい」


578: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 12:20:24 ID:AJEqcHNi0

サトシ「し、失礼しゃーす」

会長「うむ、入りたまえ」

サトシ「あ、しゃっす。そ、それで、御用とは」

会長「いやいや、驚いたよ。初代ポケモンマスターがまさかジムリーダー試験を受けにくるなど」

サトシ「は、はぁ」

会長「何はともあれ、受かって良かったね、サトシくん」

サトシ(早く用件言えよジジイ)

会長「それで何だが、君ほどの経歴の持ち主をジムリーダーにしておくにはおしい」

サトシ「は、はぁ」

会長「どうだね、カントー地方のポケモンリーグの四天王をすると言うのは」


590: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 12:24:51 ID:AJEqcHNi0

サトシ「え?四天王?」

会長「うむ。丁度欠員が出ていてね、臨時のものを入れているが、まだ不安定でね」

会長「君ほどの経歴と力の持ち主ならば、誰も文句は言うまい」

サトシ「は、はぁ」

サトシ(何かえらい事になってる)

会長「ワタルくんの後任が、いなくてね」

サトシ「え、ワタルさんどうかしたんすか」

会長「……一昨年前にな、事故で、亡くなったのだ」


597: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 12:28:47 ID:AJEqcHNi0

会長「とにかくだ、考えておいてくれ」

サトシ「は、はい」

ガチャバタン

エリカ「何だったの?」

サトシ「いや、何か四天王に誘われた」

エリカ「っ!? ホントに? 凄いじゃない」

サトシ「でもなー、あそこって周り山ばっかで」

エリカ「良いじゃないお花いっぱい育てられそう」

サトシ「そっかエリカ花好きだもんな」


608: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 12:33:24 ID:AJEqcHNi0

タケシ「最近、エリカの様子見る所じゃなくなってきた」

タケシ「毎日ジョーイさん俺の所に来んだもの、やってられないよ」

タケシ「俺の出したゴミとか漁ってないだろうな」

タケシ「はぁ」

ジョーイ「タケシくーん、おはよー」

タケシ「」ビクゥ

ジョーイ「おーはーよー」

タケシ「お、おはようございます」

タケシ(42歳のババアがおーはーよーとか軽くホラーだな)


617: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 12:39:14 ID:AJEqcHNi0

エリカ「それで、これからどうするの?」

サトシ「まずポケモン集めからかなー」

サトシ「とりあえず、半年くらいはまたポケモン漬けになるつもり。ある程度強くならないと
四天王になっても即解雇されそうだし」

エリカ「そっか」

サトシ「やっぱ俺にはピカチュウかなって思ってさ、トキワの森まで、ちょっと旅行も兼ねて
行こうかなと思ってる。一緒に行く?」

エリカ「行く!」

サトシ「じゃあ行くか!」

エリカ(何か新婚旅行みたい////)

サトシ「何だか新婚旅行みたいだな」


631: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 12:43:23 ID:AJEqcHNi0

サトシ「ついでに婚姻届でも出しに行ったりしちゃったり」

エリカ「い、いいの?」

サトシ「え?」

エリカ「だって私もう30だし」

サトシ「別に、全然気にしねーよ」

サトシ(最初はヒモになるつもりだったけど、何だか、エリカと一緒にいると
幸せにしてやりたくなってくる)

エリカ「ふ、ふつつかものですが、よろしくお願いします」

サトシ「こちらこそ」


639: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 12:46:17 ID:AJEqcHNi0

タケシ「ま、またラブレターだ」

タケシ「差出人は、」チラ

タケシ「やっぱりジョーイさんか……」

タケシ「おれ怖くてもう外に出れねぇよ」

タケシ「どうひよ」

タケシ「っ!? そうだ、ジロウに相談しよう」ピポパ

ジロウ「何だよ兄ちゃん」

タケシ「ジロウ、相談がある」


646: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 12:50:32 ID:AJEqcHNi0

タケシ「42歳のバーサンに好意を寄せられたら、どうやって回避すれば良いんだ」

ジロウ「兄ちゃん」

タケシ「な、何だ」

ジロウ「回避する必要なくね」

タケシ「なななな、何で」

ジロウ「だって兄ちゃん童貞だし、昔から年上好きだったし」

タケシ「ば、バッカヤロウ! 年上が好きだったのは、俺が若かったからで、歳くった今に
なっちゃ一回りも上なんて考えらんねぇよ!」

ジロウ「俺子守もあるし、切るよ兄ちゃん」

タケシ「ま、待てジロウ!」

ガチャ ツーツー


651: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 12:55:44 ID:AJEqcHNi0

タケシ「ちっ、つっかえねぇ弟だ」

タケシ「しかし、エリカの様子は気になる」

タケシ「今の時間、ジョーイさんは勤務中だな、よし、エリカの所に行くか」タタタタッ

タケシ「な、何だ休み? おっ、張り紙が……」

タケシ「何々、『新婚旅行につき、長期お休みします。開店は未定』」

タケシ「なにこれ」

タケシ「だれとしんこんりょこう、って、さとし しかいないよね」

タケシ「なにこれ」

タケシ「なんだこれ」


659: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 13:02:06 ID:AJEqcHNi0

プルルルル

タケシ「じろう から だ」

ガチャ

ジロウ「兄ちゃん、何かさっき結婚式の招待状届いたぞ。サトシくんとエリカさん、結婚するん
だってな」

タケシ「そー、なん、だ」

ジロウ「どうした兄ちゃん、様子おかしいぞ? さっきいきなり切ったからか?ごめんごめん、でも
娘の世話もあるし」

タケシ「きに、すんな」

ジロウ「そ、そう? まぁとにかく体には気をつけてな」

タケシ「おっけー、ぼくじょう」


682: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 13:15:24 ID:AJEqcHNi0

俺はいったい、この31年間何をしてきたのだろう。
そういう悔やみが今の俺を支配している。

幾度となく、自慰の種にしてきた女、そいつの一番新しい写真には、ぶっかける気には
とてもならなかった。
今までで一番綺麗で、可愛くて、愛おしい、けれど、それらの原因を俺に作ることは出来ない。
エリカが、こうなったのは、横に居るこの男、サトシのお陰なのだから。
普段は着物しか着ないエリカが着たウェディングドレス姿は、神々しいと言っても良かった。
そして、見たこともない笑顔。
本当なら、俺に向けて欲しかった。
そのために、脅迫状まで出したこともあったっけ。
しかし、ダメだった。諦めたくはない。けれど、無理やりにでも「して」しまえば、エリカは
二度と笑わなくなるだろう。
……それは、俺の望むエリカではない。


688: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 13:22:50 ID:AJEqcHNi0

この寂しさを埋める為に、一度はジョーイさんにおぼれ様とした事もあった。
けれど、ダメだった。
ジョーイさんの、しぼみきった体では、不敵に浮かぶ笑みでは、俺自身が
燃え上がる事はない。
お陰で、いまだ童貞というザマだ。

一度だけ、サトシとエリカの愛の巣に立ち寄ってみた事もあった。
そうしたら、仲良さそうに、舌まで入れるキスをしている二人が、ちらりと見えてしまった。
あのまま外でいたしてしまいそうなほどに、情熱的な二人だった。
思わず、俺の息子自身も、反応してしまった。
恥ずかしながら。
木の陰に隠れていた所為か、二人は俺に気づくことはなかった。
俺も、気づかせない様に、立ち去った。


699: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 13:29:40 ID:AJEqcHNi0

タケシ「俺は、どうすれば」

ハルカ(26歳)「就職すれば良いかも」

タケシ「お前26にもなってまだ語尾が「かも」なのか」

ハルカ「た、たまたまだって」

タケシ「俺のたまたま欲しいか?」

ハルカ「し、下ネタは禁止かも」

タケシ「どこが下ネタだオルァアアアア!」

ハルカ「こ、怖いかも」

タケシ「すまねぇ、ちょっとイライラする出来事があってな」


710: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 13:35:27 ID:AJEqcHNi0

ハルカ「あっ分かったかも」

ハルカ「サトシとエリカさんが結婚した件についてだね」

タケシ「ア?」ギロリ

ハルカ(ひっ)ビクゥ

タケシ「良いから、もう仕事に戻れ」

ハルカ「で、でもちょっと心配かも」

タケシ「心配されるほど落ちぶれちゃいねぇよ」

ハルカ「そ、そう?」

タケシ(ったく)


721: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 13:45:48 ID:AJEqcHNi0

ハルカ「でもでも、タケシは先輩だし、やっぱ心配かも」

タケシ「じゃあ今の旦那と別れて俺と結婚しろよ」

ハルカ「それは無理かも」

タケシ「な?無理だろ、お前に俺を救うなんて無理なんだよ無理」

タケシ「リームー」

ハルカ「ふ、フリーの女の人なら、探せるかも」

ハルカ「ナツメさんとか、イブキさんとか」

タケシ「ナツメとかサイコパス気味だし、イブキってあれだろあの変な格好のヤツだろ」

ハルカ「お、女の子に失礼かもその発言」


738: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 14:13:12 ID:AJEqcHNi0

ハルカ「あ、もう仕事遅れちゃうかも!」

ハルカ「じゃあね!」

タケシ「おう」

タケシ「……何が花だ。何が草だ、全部、全部消してやる」

タケシ「もやし、つくしてやる」

タケシ「火火火火火火火火火」

ボウゥ

タケシ「燃えろぉぉおおおおおおおおおおお」

ナタネ「止めろ! 森を燃やすな!」

タケシ「だだだだ誰だぁあああああ」


742: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 14:17:10 ID:AJEqcHNi0

ナタネ(26歳)「って、な、タケシ」

タケシ「おおおおおう、ななななナタネかああああ」

ナタネ「どうしたんだタケシ!」

タケシ「ふひぃいいいいもう全部どーでもいいぃいいいい」

ナタネ(こ、こいつヤバイ。早くどうにかしないと)

タケシ「も、も~り~のガッコ~は~川の~中~」

ナタネ「ごめんよタケシ」

ガスッ

タケシ「うっ……」バタン


745: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 14:23:26 ID:AJEqcHNi0

タケシ「はっ! ここは」

ナタネ「気がついた? びっくりしたよ。いきなり森に火つけるんだもん」

タケシ「俺は、何で」

ナタネ「一応消火しといたけど」

タケシ「お、俺は」

ナタネ「森を燃やすなんて、もう二度としないで」

タケシ「……すまない」

ナタネ「……とりあえず、しばらくここで休んでいきなよ。何かあったんでしょ?」


746: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 14:25:02 ID:aNV3Wn6z0

ナタネが26ってそんな若かったっけ?


749: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 14:26:43 ID:AJEqcHNi0

タケシ「もう一ヶ月だ。植林活動をしていると、心が洗われる」

タケシ「これもそれも、ナタネのおかげだ」

タケシ「お礼しなければならない」

タケシ「ナタネ」

ナタネ「何」

タケシ「お前に感謝している。だから」

ナタネ「だから?」

タケシ「結婚しよう。俺なりに色々考えたんだが、それしか俺には出来ない」

ナタネ「は?」

タケシ「何だお前、もう結婚してるのか?」

ネタネ「い、いや別に」

>>746
年齢忘れたから当時10歳って事でいっかなって


758: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 14:31:43 ID:AJEqcHNi0

ナタネ(変なの拾っちゃったかな……)


タケシ「頼む、結婚してくれ」

ナタネ「い、いやぁ、それは」

タケシ「大丈夫だ、俺が必ず幸せにしてやる」

ナタネ「そもそもタケシの事あんま知らないし」

タケシ「俺はお前の事を知っている!生理の周期から使ってるたんぽんの種類まで!」

ナタネ「え?」

タケシ「へ?」


769: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 14:37:18 ID:AJEqcHNi0

ナタネ(お、男の人からここまで言い寄られるのは、初めて……でも、生理の周期知ってるとか
ヤバイ予感が……)

ナタネ(それとも、そういうものなのかな?)

ナタネ(少なくとも一ヶ月は一緒にいたワケだし、何かの拍子で知ったとか?)

ナタネ(そういやタケシって、ポケモン好きの優しい男だったわけだし)

タケシ「あ、いや、スマン。失礼なことを」

ナタネ「あ、いや、別に気にしてないから。うん」

ナタネ「と、友達からなら」

タケシ「ほ、本当か!?」


782: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 14:41:44 ID:AJEqcHNi0

タケシ「俺は、お前の仕事を今手伝い支えている様に、お前の人生も支えてやりたいと
思ってるんだ」

ナタネ「え?」

タケシ「絶望のふちにいた俺を、お前は救ってくれた」

タケシ「俺がそれにどれだけ救われた事か」

ナタネ「いや、そんな大層なことはしてな」

タケシ「した! 俺はあのまま放火魔になって、幾人幾匹もの人間とポケモンを
殺しまくっていたかも知れない」

タケシ「それを防ぎ、俺をここまで普通に戻したのは、間違いなくお前なんだ、ナタネ」

ナタネ「……」

タケシ「俺は、運命を感じている」


800: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 15:00:25 ID:AJEqcHNi0

ナタネ「た、タケシ」

タケシ「その何と言うか、スマン。ただ、仕事は手伝わせてくれ」

タケシ「何だか、森が仕事場ってのも、良いもんだなと」

ナタネ「えっ、あ、良いけど」

タケシ「それに、一緒に居れば、少しは俺の方に振り向いてくれるかなとも思うしな」

ナタネ(タケシ……)

タケシ「おっと仕事仕事!」

ナタネ「意外と、良い男なのかな」


804: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 15:06:50 ID:AJEqcHNi0

二ヵ月後

タケシ「俺たち、いよいよ夫婦なんだな」

ナタネ「う、うん」

ギシギシアンアン

めでたしめでたし


もうスレも残り少ないし終わらせました
次ssスレ立てるときは書き溜めか配分考えて書きます


810: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 15:08:47 ID:c2TmbPxHO

乙。面白かったです。


811: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/17 15:09:14 ID:3+8Ne8dfi

乙です